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基幹講座
生命応答システム分野
  • 鈴木 邦律准教授

    細胞生物学、分子生物学

    出芽酵母、ライブイメージング、オートファジー

真核細胞のモデル生物である出芽酵母を使った研究

私達の研究室では、単細胞真核生物である出芽酵母を真核細胞のモデルとして使用し、バイオイメージング技術と細胞生物学的手法を用いて、オルガネラ(細胞小器官)のダイナミズムを研究しています。出芽酵母の中には細胞核・ミトコンドリア・小胞体・液胞・ペルオキシソームなどの膜オルガネラが存在し、機能や形態を変化させることで環境に適応しています。近年の研究では、小胞体を中心にしてそれぞれの膜オルガネラが互いに接触して膜接触部位を形成し、物質や情報の交換をしていることが明らかとなってきました。さらに、膜で包まれていない非膜オルガネラと呼ばれる細胞小器官の存在も知られるようになってきました。非膜オルガネラは、膜に包まれていないので、迅速な環境応答に適した構造だと考えられています。私達は膜オルガネラとして、栄養飢餓時に誘導されるオートファジーという細胞内プロセスの過程で形成されるオートファゴソームの形成と分解に注目して研究を進めています。また、我々が独自の視点からスクリーニングした新規非膜オルガネラの機能解析も推進しています。
  • 研究室集合写真

  • ディスカッション風景

(1)オートファジー研究を通じた膜オルガネラ間接触部位の機能解析
</div><div>出芽酵母を真核細胞のモデルシステムとして用いてオートファジーの研究を進めています。オートファジーという現象が興味深いのは、オートファゴソーム形成の過程が極めて特徴的かつダイナミックな膜現象を伴って進行する点にあります。オートファゴソーム形成時には、小胞体との膜接触部位を介したリン脂質の供給があると考えられています。これらの疑問を解明するために、ライブイメージング技術と試験管内再構成技術を用いて研究を進めています。</div><div>

(2)オートファジー研究を通じた膜オルガネラ崩壊のメカニズム
</div><div>オートファジーの進行に伴い、オートファゴソームと呼ばれる二重膜オルガネラが形成されます。オートファゴソームの外膜は液胞と融合し、内膜からなるオートファジックボディが液胞内へと放出されます。オートファジックボディの内容物である細胞質成分を分解するためには、まずオートファジックボディの膜を分解する必要があります。我々はオートファジックボディ膜を分解する酵素の基質認識機構の解析を進めています。</div><div>

(3)網羅的スクリーニングにより得られた非膜オルガネラの機能解析
</div><div>私達の研究室では、出芽酵母ライブラリを用いた独自のスクリーニングを行うことで、非膜オルガネラの候補を多数同定しました。これらの候補の中には未報告なものも多数含まれており、解析を進めることで、非膜オルガネラの新たな研究領域を拓けるものと大いに期待して研究を進めています。</div><div>

  • オートファジー

  • 出芽酵母の画像