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基幹講座
多細胞生物システム学分野

菊地 泰生 教授 博士(農学)

Theme

ゲノム生物学・比較進化生物学・寄生虫学

Keyword

機能ゲノミクス、バイオインフォマティクス、染色体削減、感染症、長寿

Message

生命には未開拓のまま残された興味深い現象がまだまだ沢山あります。そこには世界を変えることができる革新的な生命メカニズムがあるはずです。そんな生命科学のフロンティアの研究に一緒に挑戦していきましょう。

研究者紹介

菊地は線虫を対象としたゲノム研究を中心にこれまでの研究活動を行ってきました。そのなかで日本で初めての線虫ゲノムの解読や、C. elegans姉妹種の発見と比較ゲノム解析などの成果を達成してきました。現在、特に興味をもって研究しているのは寄生性を持つ線虫(寄生虫)です。寄生虫は、宿主体内の特殊な環境に適応するために驚くべき進化を遂げています。哺乳類を宿主とする寄生虫の場合、宿主体内は恒温かつ冨栄養で宿主からの免疫攻撃があるという、外界と比べて極めて特殊な環境で、そこに適応した寄生虫はまさに最も身近な「極限環境生物」であるといえます。そんな魅力的な寄生虫の寄生メカニズムや寄生虫のもつ特殊能力を様々なデータを統合してシステムバイオロジー的に理解したいと思って研究をしています。
また、モデル生物C. elegans線虫の近縁種を利用したゲノム進化解析も大きな研究の柱です。特にトランスポゾン(動き回る遺伝子)によってゲノム進化がどのように助長され、その制御がどのように行われているのかをC. elegansとその近縁種を使って明らかにしようとしています。
研究室のメンバーは大規模データ解析(バイオインフォマティクス・Dry)を中心とする人、生物実験(Wet)を中心とする人が大体半々の構成になっています。相互コミュニケーションや勉強会を行いながら研究を進めることにより、研究室のメンバーはDry、Wet、両方を理解できる知識とスキルを身につけていくことを目指しています。

  • 研究のイメージ

  • Strongyloides寄生世代メス成虫

研究者略歴

1994年 埼玉県立熊谷高等学校 卒業
1998年 京都大学 農学部農林生物学科卒業
2000年 京都大学 大学院農学研究科応用生物学専攻修士課程 修了
2000年 農林水産省森林総合研究所 研究員
2006年 京都大学大学院博士(農学)
2009年 英国Wellcome Trust Sanger研究所 研究員
2013年 宮崎大学医学部感染症学講座 准教授
2022年 東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授