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分野・教員一覧
基幹講座
分子認識化学分野

永田 晋治 教授 博士(農学)

その他の所属先: 東京大学農学部応用生命化学専攻(兼担)
Theme

昆虫内分泌学・昆虫生理学・化学生態学

Keyword

摂食行動、ホルモン、ステロール

Message

昆虫は地球上に出現してから4億数千万年もの間に種が爆発的に増え、現代の地球上でもっとも繁栄した生物種である。その原因のひとつとして、植物への適応放散が考えられる。つまり、昆虫が植物を食べることができるようになったことで、昆虫の爆発的な多様性が生まれた。植食性、肉食性、雑食性とはどのようなメカニズムなのだろうか?餌、個体などはどのように認識されているのだろうか?不思議なことや分からないことだらけである。

研究者紹介

 生理活性物質は生命現象を調節する重要な因子である。その生理活性物質を発見し、構造を決定することに特化したような背景で大学院生活を過ごしてきた。生理活性物質の機能解析をする上で、生理学、生化学、生物学などを駆使した研究分野のボーダーレスな感覚を養ってきた。現在、昆虫の雑食性の面白さを理解するためにコオロギを用いて実験している。コオロギは鳴くし、気性が荒く、同種でも体色や行動が多様な種であり、見ていて飽きない。餌はしっかり吟味してから選んで好きなものを選んで食べる。コオロギが属する直翅目(バッタ目)にはキリギリスのような肉食性種やトノサマバッタのような植食性種もいる。食性を決めているのは何だろうか?行動を決めているのは何だろうか?食性を決定づけている因子は何だろうか?内分泌系か?脳神経系か?代謝系か?消化系か?それとも餌の成分か?色々な種を比較したらわかるのだろうか?化学生態学、分子生物学を軸としたボーダーレスな研究手法を駆使して解決したい。

  • 飼育室では大量のコオロギを飼育

  • 同じ研究領域の仲間でありライバルと国際シンポジウムで交流

研究者略歴

1989年 開成学園高等学校 卒業
1993年 東京大学 農学部 農芸化学科 卒業
1995年 東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学 修士課程 修了
1998年 東京大学 大学院農学系研究科 農芸化学 博士課程 修了(農学博士)
1999年 アメリカ合衆国 ネバダ州立大学リノ校 ポストドクトラルフェロー
2000年 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 リサーチアソシエイト
2002年 東京大学 大学院農学生命科学研究科 助手(助教)
2012年 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 准教授
2021年 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授