基幹講座
分子生態遺伝学分野
Theme
進化生物学・生態遺伝学
Keyword
適応進化、生活史、Eco-Evo-Devo
研究者紹介
私は子供の頃から、生物が自然界で見せる多様性とその進化に心惹かれてきました。卒業研究から博士課程までは、北海道大学大学院環境科学院で、アブラムシの表現型多型(同一の遺伝子型から環境に応じて複数の表現型が産出される現象)を材料に、環境条件と表現型を繋ぐ運命決定機構に関わる内分泌因子や遺伝子群とその進化機構を研究しました。学位取得後は、多様性を生む遺伝子や遺伝的変異を具体的に同定し、その機能を目の前で検証したい、と考え、適応進化のモデルとして注目されつつあったトゲウオ科のイトヨとその近縁種に研究対象を移しました。遺伝子操作や分子生物/生理学的解析、野外飼育実験など幅広いツールを導入しながら研究を進めた結果、魚類が海から淡水域へ進出する際に鍵となる遺伝子重複など、適応進化の原因遺伝子、原因変異が徐々に明らかになってきました。これらの分子的な特徴、生態系での振る舞いを解析することで、生物の適応進化・多様化を駆動/制約する分子・生態機構を解明したいと考えています。
研究者略歴
2002年 | 埼玉県立熊谷女子高等学校 卒業 |
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2006年 | 北海道大学 理学部 生物科学科 修了 |
2008年 | 北海道大学 大学院環境科学院 生物圏科学専攻 修士課程 修了 |
2008年 | 日本学術振興会特別研究員DC1 |
2011年 | 北海道大学 大学院環境科学院 生物圏科学専攻 博士後期課程 修了、博士(環境科学) |
2011年 | 日本学術振興会特別研究員PD |
2014年 | 国立遺伝学研究所 特任研究員 |
2015年 | 国立遺伝学研究所 ゲノム・進化研究系 助教 |
2020年 | 兼任:東北大学 大学院生命科学研究科 助教(クロスアポイントメント) |
2021年 | 東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授 |