EN
分野・教員一覧
兼担分野
同位体生態学分野

米田 穣 教授 博士(理学)

その他の所属先: 東京大学総合研究博物館
Theme

同位体生態学・先史人類学・年代学

Keyword

食性、古人骨、骨考古学

Message

ヒトを生物学的に研究する自然人類学は、自分がどのような存在であるかを考える基礎科学です。日本では研究室が少ないですが、多様でユニークな研究が盛んに行われています。私たちの研究室は同位体測定という手法を使った人類学を行う日本で唯一の研究室であり、考古学との連携では世界の先端を走っていると自負しています。文理の境界を越えて人間の本質を究める研究に参画してくれる同志を歓迎します。

研究者紹介

ヒトについて科学的な研究をしてみたい考えていたが、高校生の時は自然人類学という研究分野の存在を知らなかった。霊長類学がそれに近いと考えて、人類学コースのある理学部生物学科に進学したが、著名なチンパンジー研究者が異動された直後で途方にくれた。たまたま、シリア共和国でネアンデルタール人の化石を発掘するという話を聞いて、学部3年生のときに発掘調査に参加した。発掘現場には様々な分野の専門家が集結しており、分野を超えた議論と異国での野外調査に魅了された。自分も専門家として調査メンバーになりたいと思い、同位体分析を用いた人類学を大学院でのテーマにした。が、居候していた研究室で、大型分析装置を導入することになり、放射性炭素年代測定ラボの立ち上げメンバーになった。物理学者や化学者との協働はとても楽しかった。装置改良を口実に留学させてもらい、英国で考古科学という分野にであった。考古学の視点から自分がもつ分析データを議論する面白さに目覚め、考古学的な研究に邁進した。帰国して、研究室を主宰する機会に恵まれたので、ヒトを中心に考古学や生態学の研究を始めることにした。結局、最初の関心事に戻ってきた。どこで何をテーマにしても研究は面白かったので、残された時間は心底面白いと思えるテーマだけを研究したい。次世代に研究研究環境と機会を提供することで恩返ししたいと考えている。

  • ついに見つかったネアンデルタールの人骨を望む(左端)

  • 東京大学総合研究博物館放射性炭素年代測定室のスタッフとともに

研究者略歴

1988年 私立駒場東邦高等学校 卒業
1992年 東京大学 理学部 生物学科 人類学コース 卒業
1994年 東京大学 大学院理学系研究科 人類学専攻 修士課程 修了
1995年 東京大学 大学院理学系研究科 人類学専攻 博士課程 中退
1995年 国立環境研究所 化学環境部 研究員
2002年 国立環境研究所 化学環境研究領域 主任研究員
2003年 日本学術振興会 海外特別研究員(兼任)・オックスフォード大学研究員
2006年 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 助教授
2012年 東京大学 総合研究博物館 教授・大学院新領域創成科学研究科 教授(兼担)