基幹講座
遺伝システム革新学分野
研究者紹介
卒業研究で初めてショウジョウバエを使った発生の研究に出会い、変異体やトランスジェニック個体を用いた研究で、たった一つの遺伝子が変化するだけで、容易に「形」が変化してしまうことに驚きを覚えました。また、顕微鏡で観ると、生物は実に緻密で精巧な「形」をしていることにも感動しました。以来、「形」ができる神秘に取りつかれています。当初はショウジョウバエだけでしたが、他の昆虫を知るにつれ、「形」の進化や多様性といったことにも興味を抱くようになりました。ショウジョウバエは非常に優れたモデル生物の一つであり、原理的には、自分の好きな遺伝子の活性を、好きな細胞で、好きな時に、好きなだけ変化させることが可能であるとともに、様々なタンパク質の発現や局在をリアルタイムに観察できるような系統も充実しています。このような理由から、研究の中心はショウジョウバエですが、常に他の昆虫との関係を考えつつ、進化・多様性の理解につながる研究をしたいと思っています。生物の「形づくり」の研究では、顕微鏡を使って実際にものを「観る」ということが、欠かせません。生物は観れば観るほどよくできていて、顕微鏡をのぞくだけでとてもワクワクします。ぜひ、みなさんにもこのワクワクを体験してもらいたいと思っています。
研究者略歴
1985年 | 神奈川県立光陵高等学校 卒業 |
---|---|
1990年 | 東京大学 理学部 生物化学科 卒業 |
1992年 | 東京大学 大学院理学系研究科 生物化学専攻 修士課程 修了 |
1992年 | 日本学術振興会特別研究員DC1 |
1994年 | 東京大学 大学院理学系研究科 生物化学専攻 助手 |
1997年 | 東京大学 大学院理学系研究科 博士取得、博士(理学) |
2005年 | 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 助教授 |
2007年 | 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 准教授 |