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分野・教員一覧
連携講座
がん先端生命科学分野
  • 土原 一哉客員教授

    腫瘍診断学・腫瘍生物学

    がんゲノム、クリニカルシークエンス、データベース

  • 石井 源一郎客員教授

    腫瘍生物学・細胞生物学・病理学

    がん微小環境ダイナミクス、がん関連線維芽細胞、薬剤感受性多様性

  • 安永 正浩客員教授

    抗体DDS創薬・免疫制御法・先端的質量分析・がん診断治療法

    抗体・DDS・分子イメージング・細胞生物学・質量分析・匂い・生体分子

  • 大橋 紹宏客員准教授

    腫瘍生物学・ドラッグディスカバリー・薬理学

    染色体不安定性、DNA複製ストレス、分子標的治療薬、マルチオミックス解析

最先端の技術と良質のサンプル・データを武器に最適ながん医療を追求する

日本では国民の2 人に1 人ががんに罹り、年間100 万人近くの方が新たにがんと診断され、その数は今後も増え続けると想定されています。網羅的ゲノム解析をはじめとする新しい解析技術の進展に加え、がんの生物学的特性の理解に基づく分子標的薬や免疫療法などの開発が進み、がんの治療成績は着実に向上していますが、有効な治療標的が見つからないがんや、治療薬耐性など新たな課題も明らかになっています。一人一人のがんに対して最適な治療法を作り出していくためには、がん細胞のみならずそれを取り巻く周辺の微小環境を含めた深い生物学的な理解が求められます。これを可能とするためには、実際に治療を受けている患者検体を直接解析し、臨床経過に基づいた考察を加え、さらにそれらの結果を外部の研究者や企業と共有することが必須です。がん先端生命科学分野の教員は、国立がん研究センター先端医療開発センターに所属し、国内トップクラスの臨床開発を行っている国立がん研究センター東病院と一体となった橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)に取り組んでいます。次世代の最適医療(Precision Medicine)を一緒に創っていきませんか。
  • 国立がん研究センター柏キャンパス

(1)ヒトがん微小環境ダイナミクスの解明(石井・落合研究室)

がん細胞の周囲には、多数の非がん細胞が存在しています。特に線維芽細胞は、組織間隙を充填する細胞として、あるいは、がん細胞の生物像に直接影響を与える細胞として、機能しています。不均一ながん細胞と線維芽細胞とが形成する動的な微小環境(がん微小環境ダイナミクス)を模倣するin vitro モデルを作製し、単細胞レベルでの生物像解析からがんの進展機構、薬剤感受性機構の解明に取り組んでいます。

(2)ドラッグデリバリーシステムを活用した創薬研究(安永研究室)

ドラッグデリバリーシステム(DDS)は抗がん剤を腫瘍選択的に運ぶことで薬剤の効果を高め、副作用を最低限に抑えることができる方法です。ADC(Antibody-drug conjugate)、RIT(Radioimmunotherapy)、BsAb(Bispecific antibody)といった次世代抗体医薬、そのデリバリーを可視化するための分子イメージングや質量分析・インフォマティクス、さらにがん細胞攻撃に働く宿主免疫反応を高めるための分子・細胞生物学的手法を駆使するなどユニークな創薬研究を行っています。さらに、匂い・生体分子を対象にした新しいがん診断治療法の開発も展開していきます。

(3)染色体不安定性が介するがん脆弱性を狙った創薬研究(大橋研究室)

新規がん治療薬を開発する上で、がん細胞の特性や脆弱性を分子レベルで理解することは非常に重要です。我々はがん細胞の特性の1つである「染色体不安定性」に着目し、染色体不安定性が引き起こす「がん特異的なシグナルネットワークと脆弱性」を狙った創薬研究を進めています。国内外のアカデミアやインダストリーと連携しながら新規抗がん剤候補の創出を目指していきます。

(4)臨床オミックスデータの統合解析による治療診断法開発(土原研究室)

がんの治療開発を進めるためには、良質の臨床情報が必要です。これに加えて、患者検体や動物・細胞モデル試料を用いたゲノム、トランスクリプトーム、マイクロバイオームなどの多層オミックス解析のデータを欠かすこともできません。これらを統合して新知識を導き出すためには情報科学的な知識が不可欠です。各種データ処理のパイプライン、データベースの構築と可視化、情報抽出方法を最適化する技術などの研究開発を行っています。
  • (1)がん微小環境ダイナミクスについて

  • (2)DDSを活用した次世代創薬

  • (3)がん先端生命科学分野、大橋研究室の目指すもの

  • (4)大規模解析データからの情報抽出