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兼担分野
先端海洋生命科学分野

岩田 容子 准教授 博士(水産科学)

その他の所属先: 大気海洋研究所
Theme

海洋生物学・動物生態学

Keyword

繁殖生態、生活史、頭足類

Message

種によって、性別によって、個体によって、生き物たちは多様な形態や行動、生き方をしています。また自分が直面した環境条件によって、生き方が大きく変わる場合もあります。彼らの柔軟でしたたかな生き方は、どのように進化してきたのでしょうか?海洋生物の生態はまだまだわからないことだらけです。当研究室では、文字通り柔軟な生物、頭足類を使って、そんな謎に迫ろうとしています。

研究者紹介

どうして同じ種の中でも、雄と雌では行動や形態が大きく異なるのでしょうか?さらに同性の中でも、個体によっても大きく異なる場合があるのでしょうか?また、環境条件はそのような種内変異にどのように影響するのでしょうか?そんな疑問に答えるため、頭足類の性選択に関する研究を行っています。なぜ頭足類か、というと実は特にイカやタコが大好きだったというわけではありません。しかし性選択を研究する上では、とても面白い生物です。彼らは非常に発達した眼と認知能力を持ち、瞬間的な体色模様やポーズといった視覚シグナルで種内コミュニケーションを行います。また、頭足類の雄は精子の詰まったカプセルを雌の体の特定部位に付着させることで精子の受け渡し、雌は渡された精子を貯めておいて受精に使ったり、はたまた捨ててしまったりします。また、頭足類は環境条件によって、成長や成熟といった生活史が大きく変化することも知られています。このような特徴を持つ頭足類は、交尾機会をめぐる交尾前性選択や、受精をめぐる交尾後性選択を調べる上で、良いモデルになると考えられます。飼育実験による行動観察や形態学的解析、遺伝子解析などを用いて研究をおこなっています。

  • 巻網を使った野外調査風景

  • 飼育行動観察をおこなっているコウイカの一種

研究者略歴

1996年 石川県立金沢二水高等学校 卒業
2000年 北海道大学水産学部 卒業
2002年 北海道大学 大学院水産科学研究科 修士課程終了
2005年 北海道大学 大学院水産科学研究科 博士後期課程終了
2005年 北海道大学 大学院水産科学研究科 博士研究員
2008年 ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校 マリーキュリーフェロー
2010年 日本学術振興会 特別研究員(PD)
2014年 日本学術振興会 特別研究員(RPD)
2014年 東京大学 大気海洋研究所 講師
2018年 東京大学 大気海洋研究所 准教授