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基幹講座
生命機能解析学分野

大谷 美沙都 教授 博士(理学)

その他の所属先: 理化学研究所(客員研究員)・奈良先端科学技術大学院大学(客員准教授)
Theme

植物分子遺伝学・木質科学・RNA生物学

Keyword

分化全能性、植物環境応答、木質バイオマス、RNA代謝、細胞壁、通水細胞

Message

「もしも宇宙人が地球にやってきたら、最初に植物とコンタクトをはかるだろう」−SF小説の中でそんな一節に出くわしたことがあります。そう、地球全体の優占種は植物たちなのです。そんな植物、移動性が低いため静かでゆっくりした存在だと思われがちですが、実際には、その内部はダイナミックでアクティブ、思いもよらない駆け引きにあふれた生命活動で満ちています。私たちは、生物がなぜ多様な機能を果たし得るのか、植物を材料とした分子的理解と応用に取り組んでいます。興味のある方、ぜひ一緒に、植物の謎に取り組みましょう。

研究者紹介

植物細胞の分化全能性への強い興味を抱き、植物研究に足を踏み入れる。大学院生時代は、分化全能性顕在化の例の一つである器官再生に異常を示す新規シロイヌナズナ変異体を材料として、分子遺伝学的解析・分子生物学的を行った。博士号取得後、理化学研究所の研究員として上記の研究を継続しつつ、新たに道管細胞分化研究を開始。ポプラやヒメツリガネゴケといった幅広い植物種の解析やオミクス解析、さらには高分子化学との異分野融合による木質バイオマス研究を推進した。また植物器官再生におけるRNA代謝の重要性を示し、国内植物RNA研究者とともに、植物RNA研究ネットワークを立ち上げた。助教として奈良先端科学技術大学院大学に異動後は、植物RNA代謝研究、通水細胞分化の進化発生学的研究を進め、植物細胞の増殖・分化制御における多面的な遺伝子発現調節を明らかにした。2019年に東京大学大学院新領域創成科学准教授として着任、研究室「生命機能解析学分野」を主宰。「植物の生きざまを、分子の言葉で理解する」ため、ミクロ(分子)からマクロ(樹木個体)まで、さまざまな角度で植物研究を行っている。

  • 研究室での実験風景

  • 東京大学植物園日光分園での樹形計測会の様子

研究者略歴

2000年 東京大学理学部生物学科 卒業
2002年 東京大学大学院理学系研究科 修士課程修了
2002年 日本学術振興会特別研究員(DC1)(〜2005年)
2005年 東京大学大学院理学系研究科 博士(理学)取得
2006年 独立行政法人 理化学研究所 基礎科学特別研究員
2009年 独立行政法人 理化学研究所 特別研究員
2010年 独立行政法人 理化学研究所 研究員
2014年 奈良先端科学技術大学院大学 助教
2019年 東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授