専攻長からのご挨拶
先端生命科学専攻 専攻長 松永 幸大

先端生命科学専攻は、自由な発想なもと、多様性を重視しながら、生命科学研究を進めている世界的にもユニークな専攻です。広大な研究フィールドを眺めた時、そこには研究業績というブロックを積み上げた無数の建造物が確認できるでしょう。すでに堅固で立派な高層ビルもあれば、ひょっとしたら見過ごしてしまうような、まだ石積みの土台のような建造物もあるでしょう。注意しなければならないことは、現在の建造物の外見が未来を約束するわけではないということです。立派な高層ビルに見えても、現在の建築技術ではこれ以上高くすることができないかもしれません。逆に、石積みの土台の上に、あれよあれよという間に、立派なビルが建ってしまうかもしれません。私達は、新しい研究領域を開拓するために集結したのですから、これからも皆さんと一緒に、研究フィールドに新しい建造物を打ち立てたいと考えています。
大学院時代に新しい研究にチャレンジした経験はきっと、皆さんが人生を歩んでいく上で、活力になるでしょう。先端生命科学専攻に在籍している間、成功と失敗、喜びと悲しみ、満足感と喪失感など、喜怒哀楽を大いに味わってもらいたいと思います。その実体験を通じて、「自分は何に向いているのか?」「自分の人生はどう歩むべきか?」など、自問自答を通じて、自己を再発見できるでしょう。先端生命科学専攻は、自己を再発見するために、思いっきり研究に没頭できる研究環境と教育環境を提供します。さあ、自己の再発見の旅に一緒に出発しましょう。
「君の人生を変えられるのは君だけだ。君の夢が何であれ、突き進んでいくんだ。なぜなら、君は幸せになるために生まれてきたんだから」 マジック・ジョンソン
過去の専攻長挨拶
2023-2024年度 先端生命科学専攻 専攻長 永田 晋治

地球にはたくさんの生物がいる。
その生命原理を追究することができるのは、人間だけである。そして、生命原理を明らかにすることは、わたしたちが地球上で多くの生物とともに暮らすためにはとても大切な命題である。
この命題を探究することこそが、ライフサイエンスの目指すところではある。しかし、このような使命感だけでは息が詰まり研究を続けることは難しい。
その生命原理を追究することができるのは、人間だけである。そして、生命原理を明らかにすることは、わたしたちが地球上で多くの生物とともに暮らすためにはとても大切な命題である。
この命題を探究することこそが、ライフサイエンスの目指すところではある。しかし、このような使命感だけでは息が詰まり研究を続けることは難しい。
研究する際には、好奇心を使う方法が有効である。そのため、「どうなっているのか?」「なぜか?」という素朴な疑問を解決させることが、わたしたちが研究する上での原動力となり、研究の目的になる。実際には、その延長上に生命原理の解明があるのだろう、、などと無責任に考えている程度が多くの研究者が意識しているところだろう。
ありがたいことに、わたしたちの身の回り、地球上には面白いことがたくさんある。欲張りなもので、面白そうなものは全部を知りたくなる。
知れば知るほど、もっと興味がわく。好奇心が爆発するループとなる。
知れば知るほど、もっと興味がわく。好奇心が爆発するループとなる。
先端生命科学専攻では多様な生物を扱うユニークな専攻である。長く所属しているが、研究対象としての生物、生命現象の多様性に感服する。
私たちの研究がどのくらい生命原理に貢献しているかはわからない。当然であるが、生命原理の解明までは程遠い。わたしたちが生きている間は決して明かされないもののはず。
私たちの研究がどのくらい生命原理に貢献しているかはわからない。当然であるが、生命原理の解明までは程遠い。わたしたちが生きている間は決して明かされないもののはず。
このような得体も知れない巨大な相手に対しては、ふつうは身をすくみ、その力に平服してしまう。
その中でも、巨大な敵に対し立ち向かう勇者もいる。それが、研究者の立ち位置だ。
その中でも、巨大な敵に対し立ち向かう勇者もいる。それが、研究者の立ち位置だ。
未開の領域で研究する場合は、必ず大きかろうと小さかろうと発見が伴う。
そこには喜びも伴う。この喜びをみんなで分かち合いたい。
そこには喜びも伴う。この喜びをみんなで分かち合いたい。
先陣切って戦うには仲間が多い方がいい。苦楽を分かち合える仲間がいるとなんでもできる気になる。
わたしたちは研究者を志す仲間を探している。一緒に巨大な相手に立ち向かいたい。そして、実践の中で研究者としてのお互いの成長を楽しみたい
わたしたちは研究者を志す仲間を探している。一緒に巨大な相手に立ち向かいたい。そして、実践の中で研究者としてのお互いの成長を楽しみたい
2022年度 先端生命科学専攻 専攻長 河村 正二

先端に立ち、先端を創る。
本専攻のリニューアルしたホームページに掲げたキャッチコピーです。先端に立つ、とは先端を創ること。ピラミッドの頂点が先端だとすると、すでにあるピラミッドに登り詰めて先端に立つのではなく、あなたが行っている研究が発端となって追随され、下が伸びていくイメージ。小さなピラミッドが大きくなっていく、つまり始めから先端なのです。発端が先端に転ずる。そんな研究をしよう、そう言っているわけです。
Integrated Bioscience、本専攻の英語名です。これは先端を創るためのアプローチの仕方を表しています。慣れ親しんだ研究方法だけでなく、様々な方法論や考え方を取り入れよう、ということです。本専攻は、約20年前に本郷の理学系、農学系、薬学系、工学系研究科、そしてそれらの中の様々な専攻や講座から教員が集って発足しました。それでひとつの専攻の中に、食、健康、生物資源、多様性・進化といった様々なベクトルをもった研究室があります。それらが「学融合」を旗印に生命原理を追求しています。このような様々な研究ベクトルに加え、ウェット~ドライ、ミクロ~マクロ、実用~基礎、といった多様な方法、対象、出口のディシプリンを学びあい、取り込み、融合させ、あるいは協奏させて、誰もやったことのない研究をやる(先端を創る)ことを志向しています。20年経って教員の代替わりは進んでいますが、その精神は変わりません。
本郷を伝統、駒場を教養と特徴づけるなら、柏は「創成」です。新しい(Frontierな)研究領域を創成する、新領域創成科学研究科という長い名前は、その意気込みを語っています。
本専攻に入学する皆さんには、そのような研究を体験する中でチャレンジする意欲を磨き、
・論理的に、そして証拠に基づいて、考え、検証する
・伝わる説明をし、質問に向き合う
・国際化を日常とする
ことをトレーニングすることで「研究者マインド」を身に着けていただきたいと思います。本専攻は、科学者を育成する一方で、「研究者マインド」を身に着けた人材を広く社会に送りだすことを目指しています。
・論理的に、そして証拠に基づいて、考え、検証する
・伝わる説明をし、質問に向き合う
・国際化を日常とする
ことをトレーニングすることで「研究者マインド」を身に着けていただきたいと思います。本専攻は、科学者を育成する一方で、「研究者マインド」を身に着けた人材を広く社会に送りだすことを目指しています。