生命科学研究科 生命科学研究科 ― 東京大学大学院新領域創成科学研究科

専攻について

Q : 基幹講座、連携講座、兼担分野にはどういう違いがあるのでしょうか。

A : 基幹講座は、先端生命科学専攻の中核をなす11の研究分野で、柏キャンパスの生命棟に所在し、生命の共通性と多様性の基本原理に迫る挑戦的な研究や、食、生物資源、環境、健康などに関する諸問題を解決する課題解決型研究を行っています。

連携講座は、学外の研究機関に設置され、基幹講座に無い「生命科学の応用現場」をもつ2つの研究分野です。がん先端生命科学分野は、わが国のがん医療の拠点であり臨床の現場をもつ独立行政法人 国立がん研究センター 先端医療開発センターに設置され、柏キャンパスに隣接した敷地にあります。応用生物資源学分野は、わが国の農林水産基礎研究、バイオテクノロジー研究の中核である国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構に設置され、柏キャンパスとつくばエクスプレス線でつながるつくば市にあります。これらの分野では、学生は最先端の研究現場で「プロの科学者たち」と一緒に研究を行うことができます。

兼担分野は、学内の研究所に設置され、基幹講座がカバーしきれない重要な研究領域をカバーする2つの研究分野です。生物と環境との関係を地球化学的手法を用いて調べる同位体生態学分野は本郷キャンパスの総合研究博物館に、広大な海洋における生命現象を解明する先端海洋生命科学分野は同じ柏キャンパスの大気海洋研究所に、それぞれ設置されています。

Q : 新領域創成科学研究科や先端生命科学専攻は、なぜ設立されたのですか。

A : 下の図は、東京大学の各学部・研究科が設立された時期と、世界人口の推移とを重ねて示したものです。東京大学が19世紀の終わりに設立され、法・理・文・医、次いで工・農の各学部が作られたとき、世界人口は10億人であり、地球と資源は事実上無限であり、科学の目的は自然を克服し文明を拡げることでした。ところが20世紀の後半、人口が30億人から60億人へと倍増したことにより世界は一変しました。地球と資源は有限となり、環境問題をはじめ新たな問題が顕在化し、それらに対処する新たな学問領域が必要となりました。そこで東京大学は1998年、新たなキャンパスに新領域創成科学研究科を設立しました。先端生命科学専攻は、そのとき同研究科を構成する専攻のひとつとして設立され、生命の基本原理に立ち返る基礎研究から、その知見を利用して食・健康・生物資源・生物多様性といった生命科学関連の諸課題に対処する応用研究までを、広くカバーしています。

Q : 先端生命科学の「先端」にはどういう意味があるのでしょうか。英語名の「Integrated Bioscience」とはどういう意味でしょうか。

A : 独創的な研究、最初の研究はそれまでの多くの研究とは離れた位置に1つの「点」として表されます。しかし、その研究が興味深く重要なものなら、必ず後から、他の研究者が追随してきます。そしてふと気付いたら、後ろにはたくさんの研究者がついて来ており、いつの間にか「円錐形」の頂点に押し上げられていた、というようなことになっています。これが私たちのめざす「先端生命科学」のイメージです。一方、独創的な研究は、何も無いところから突然生まれるのではありません。従来の膨大な生命科学の成果を、核酸、タンパク質、糖鎖、といった共通言語を用いて統合(integrate)し、その中から新たな研究を生み出そうというアプローチが「Integrated Bioscience」です。

Q : 修士、博士の名称はどうなるのでしょうか?

A : 修士(生命科学)、博士(生命科学)となります。英語表記ではそれぞれ Master of Integrated Biosciences、Doctor of Philosophy (いわゆる Ph.D.)となります。