生命科学研究科 生命科学研究科 ― 東京大学大学院新領域創成科学研究科

平成27年度プレスクール論文賞論文

優秀賞: 前田 拓磨 (医薬デザイン工学分野)

課題:「地球上の動物は全て植食性であり得るか?根拠を挙げながら論理的に述べよ。」(分子認識化学分野 永田晋治 准教授)

:  地球上には様々な生物が存在し、それぞれの種には生命が維持できるような工夫が備わっている。その累積が、多様な種で作られた生態系を生み出している。このことは、均衡が崩れないように、様々な力が働いている、とも考えることができる。本課題では、その均衡を無視して、植食性動物のみの世界が現実的か否かを問うものである。前田君の論文は、肉食動物の捕食圧による生態系維持が、環境圧による生態系維持に代えられるか否かに着眼しており、非常に興味深い。彼が描いた海中での植食性動物のみの仮想生態系は、あたかも地球の歴史上で、そのような世界が存在していたようにも思われてしまう。

(受賞レポート)

 

 

特別賞: 岡田 亮 (医薬デザイン工学分野)

課題:「21世紀は生命科学の時代だと言われている。生命科学の知識を活用して、2050年のくらしを豊かにするためのアイディアを書きなさい。」(生命応答システム分野 大矢禎一 教授)

:  2050年の人類のくらしを考えるにあたって、エネルギー問題や食糧問題をエネルギーや食料の生産効率を向上させることで解決するといった視点での論文が多い中、持続可能性に注目して論を進めている点が評価できる。 壁面緑化によりエネルギー問題や環境問題の解決を提言する論文と思わせておいて、壁面緑化を絶対善とせず、メリット・デメリットを慎重に検討している点に好感が持てる。さらに、ハーブを使用した壁面緑化の例を挙げ、遺伝子組み換え植物が、精神的な安らぎやリラックス効果といった付加価値をもたらす可能性を提言した点にも目を開かれる思いがした。結びでは、エネルギー問題を解決するには人間の生き方を変える必要がある点に触れ、これまで我々が歩んできた大量生産・大量消費社会に対する疑問が提示されている。未来の社会において我々の生活の質を向上させるためには、これまでの価値観を見直すことも大事だろう。本論文は独創性に優れていることから、プレスクール論文特別賞に相応しい論文である。

(受賞レポート)